Library of the Year 2015

Library of the Year 2015大賞を受賞した多治見市図書館からのコメント(熊谷雅子館長)と審査委員長のコメントを掲載いたしました。(2015/11/29)
審査委員長のコメントを掲載いたしました。(2015/11/17)
第17回 図書館総合展で開催した最終選考会にて大賞が決定しました。(2015/11/12)
11月12日(木) 10:00-11:30 Library of the Year 10周年記念フォーラムも開催しました。(2015/09/19)
優秀賞・最終選考対象を掲載しました。(2015/09/10)
優秀賞候補機関を掲載しました。(2015/07/10)

Library of the Year 2015 最終選考会は終了いたしました。多数のご来場、ありがとうございました。

Library of the Year 2015実施に向けて、クラウドファンディングを活用した資金調達を行いました。多数のご協力、ありがとうございました!
【第3弾】全国の良い図書館を表彰するLibrary of the Yearを開催 READYFOR

Library of the Year 2015の概要

Library of theYear 2015は、第17回 図書館総合展の図書館総合展運営員会主催、NPO法人知的資源イニシアティブ(IRI)が企画・運営するフォーラムとして開催しました。 

2015年11月12日(木)15:30~17:00、パシフィコ横浜(横浜市みなとみらい)にて、今回決定した優秀賞受賞4機関を対象として、一般公開の最終選考会を開催します。最終選考会では、各機関についてプレゼンテーションを行い、ディスカッションを経て、審査員7名(選考会一般参加者票1票を含む)の投票によって大賞を決定しました。合わせて、大賞及び優秀賞の表彰式を行いました。 

この最終選考会は、パシフィコ横浜で開催される第17回図書館総合展(2015年11月10日~12日)の一環として行なわれました。 (最終選考会の様子:Ustreamにて公開中)

Library of the Year 2015 プレスリリース(2015/09/10) (PDF:278KB)

Twitterで情報発信中です。http://twitter.com/IRI_LoY

Library of the Year 2015 優秀賞・最終選考対象

IRIメンバーおよび外部推薦で寄せられた27施設・団体・サービスの中から、下記の4機関が優秀賞に選ばれ、大賞の最終選考対象となりました。

くまもと森都心プラザ図書館

熊本駅前のまちづくりの拠点として新都市創出に貢献し、毎年100万名以上の来館を達成している点を評価した。一般的なお話会等にとどまらず、図書館活用セミナーや写真展・展示会、試飲会等、従来の図書館の枠にはまらない事業を展開し、かつ図書館機能と連動させていることは、これからの図書館の可能性を打ち出すモデルとなりうる。 
http://stsplaza.jp/library/

塩尻市立図書館/えんぱーく

人口6万6000名の町でありながら、開館5年で累計来場者300万名を達成していることは、地方の小都市においては異例の成果であり評価できる。単なる図書館単独施設ではなく、一体的な組織運営も含め塩尻を中心とした周辺地域の市民交流機能をあわせ持っていることは、これからの時代の地方都市における文化施設のあり方を端的に示している。 
https://www.library-shiojiri.jp/

多治見市図書館

地域の産業に根差した「陶磁器資料コレクション」はビジネス支援・産業支援として本来図書館が取り組むべき課題に明確に向き合っている。特に収集が難しいミュージアムやギャラリーの図録を数千点規模で収集しており、この「司書が足で稼ぐ」収集活動のありようは、他の図書館にとって極めて示唆的である。 
http://www.lib.tajimi.gifu.jp/

B&B

2012年に東京・下北沢で開店して以降、従来の書店のあり方(経営、企画)に大きな波紋を投じており、地方で衰退する「まちの小さな本屋さん」の復興のきざしとも取れる。また、地域コミュニティと密接に関わって開催されるイベントは図書館からも注目を集めており、Library of the Yearで評価する意義がある。 
http://bookandbeer.com/

Library of the Year 2015 優秀賞候補機関

2015年は、IRIメンバーおよび外部推薦で寄せられた27施設・団体・サービスの中から、下記の6機関が一次選考を通過しました。(一般からの推薦があった館には★をつけています。)

オープンデータに関する図書館の動向

オープンデータの推進を追い風として、図書館からの貢献や新しい形の利用者支援の可能性が議論されている。京都府立図書館の司書による自己学習グループ「ししょまろはん」での活動や、図書館資料を活用して地域の文化資源を発掘・発信する「WikipediaTown」等、図書館が軸となった取り組みが増えてきたこのタイミングで、単独の機関の取り組みはなく総合的な流れとして評価する。 
http://libmaro.kyoto.jp/

くまもと森都心プラザ図書館(★)

熊本駅前のまちづくりの拠点として新都市創出に貢献し、毎年100万名以上の来館を達成している点を評価した。一般的なお話会等にとどまらず、図書館活用セミナーや写真展・展示会、試飲会等、従来の図書館の枠にはまらない事業を展開し、かつ図書館機能と連動させていることは、これからの図書館の可能性を打ち出すモデルとなりうる。 
http://stsplaza.jp/library/

塩尻市立図書館/えんぱーく

人口6万6000名の町でありながら、開館5年で累計来場者300万名を達成していることは、地方の小都市においては異例の成果であり評価できる。単なる図書館単独施設ではなく、一体的な組織運営も含め塩尻を中心とした周辺地域の市民交流機能をあわせ持っていることは、これからの時代の地方都市における文化施設のあり方を端的に示している。 
https://www.library-shiojiri.jp/

多治見市図書館

地域の産業に根差した「陶磁器資料コレクション」はビジネス支援・産業支援として本来図書館が取り組むべき課題に明確に向き合っている。特に収集が難しいミュージアムやギャラリーの図録を数千点規模で収集しており、この「司書が足で稼ぐ」収集活動のありようは、他の図書館にとって極めて示唆的である。 
http://www.lib.tajimi.gifu.jp/

千葉大学付属図書館/アカデミック・リンク・センター(★)

「考える学生」の創造を目指す千葉大学の新しい学習環境コンセプトとして、施設・サービス・スタッフを充実させている。アクティブラーニング志向の学習支援環境の実現について、いち早く取り組んで高い完成度で実現させている点、学術成果物をオープンにしている点を評価した。 
http://alc.chiba-u.jp/

B&B

2012年に東京・下北沢で開店して以降、従来の書店のあり方(経営、企画)に大きな波紋を投じており、地方で衰退する「まちの小さな本屋さん」の復興のきざしとも取れる。また、地域コミュニティと密接に関わって開催されるイベントは図書館からも注目を集めており、Library of the Yearで評価する意義がある。 
http://bookandbeer.com/

大賞受賞機関・審査委員長のコメント

大賞受賞のコメント

多治見市図書館 館長 熊谷雅子

この度はLibrary of the Year 2015大賞を賜りありがとうございました。この場をお借りして関係各位に厚く御礼申し上げます。

「司書が足で稼ぐ」という地道な活動を評価して頂けたことを職員一同大変嬉しく思っております。陶磁器関連コレクションは、陶都多治見のまちに相応しい図書館として、どのような資料を収集するかを考えることから始まりました。そのためには美濃焼について、先ずは焼き物について知る必要がありました。焼き物について全くの素人である私たちが訪ねたのは地元の陶磁器に関わる方々の元です。時には窯焚きの現場へ、時には自宅の書庫や倉庫まで伺い、直接教えを乞いました。時には「なんや、ほんなことも知らへんのか」と呆れられながらも、どなたも初歩的なことから丁寧に説明してくださいました。

何故地元だけでなく全国の窯業地の焼き物の資料まで集めるのか?何故一見焼き物とは関係ないような資料まで集めるのか?それは焼き物に関わる方が本当に必要な情報だったからです。8,000点以上からなるこのコレクションは地域と全国の焼き物に関わる機関の方々から提供された情報の集大成です。そして気が付けばこれらの資料は、地域資料からビジネス支援、産業支援と評価して頂けるコレクションにまで成長していきました。

「司書が足で稼ぐ」という当館の取り組みは決して特別なものだとは思っておりません。陶磁器に限らず、医療健康情報や生涯学習、子どもの読書支援についても日々司書たちは情報収集を足で稼いでいます。足で稼ぐということは司書が直接利用者の声を聴き、そのまちを知るということです。どのまちにも独自の文化という宝物があり、遺していくべき資料があり、抱えている問題があります。それを丹念に集めて提供していくことで少しでも住民の皆さんの生活を支えていきたいと考えております。資料と情報を通じて人とまちが元気になるお手伝いをしていく。そんな図書館でありたいと願っております。

今回の最終選考会でプレゼンターの小嶋智美さんは、そんな私たちのまちの魅力と図書館の取り組みについて大変深い愛情をもってご紹介くださいました。取材を重ねるうちに多治見が大好きになったというお言葉や、スライドの中でご紹介くださったまちの生の声は、わたしたちにとって何よりも励みとなりました。ありがとうございます。

最後に、これまで図録他貴重な資料をご提供頂きました全国の美術館・博物館・ギャラリー・出版社、そして地域の皆様に改めて御礼申し上げます。このコレクションは皆様のご協力なしでは成り立ちませんでした。今後とも引き続きご支援、ご協力をよろしくお願いいたします。 

審査委員長のコメント

審査委員長 大串夏身

今回も多くの選考対象館・組織等が集まりました。その中から、一次選考、二次選考を経て、最終選考に4大賞候補が選ばれました。

4大賞候補は、それぞれに最終候補としてふさわしいものでした。事前に公表された推薦の理由を読んでも、それぞれに特徴があり、横一線という感じがしました。選考委員長としては、最終選考会のプレゼンテーションで審査員、会場へ来場された方々に訴えるものがより多いものが選ばれるであろうと予想していました。

4人のプレゼンターのプレゼンは、それぞれに良く、甲乙をつけがたい出来栄えだったと思います。投票は、7票中、3票を得たのが多治見市図書館、塩尻市立図書館で、多治見市図書館は会場票が一番多く、「会場票」1票を得ました。会場の投票数は、多治見市図書館がほかの図書館等を引きはなしていました。(7票中、残り1票は、B&Bでした)多治見市図書館は、地域の産業である陶磁器産業への支援を、ビジネス支援・産業支援として位置づけコレクションを構築し、資料収集に際しては、積極的に地域に出て行って住民との交流を通して収集しているという点が評価されました。この点が多くの来場者の支持を得たのだと思います。

同票の場合、審査委員長が決定をするということになっていましたので、会場票を得た多治見市図書館を大賞としました。

くまもと森都心プラザ図書館、塩尻市立図書館、B&B、それぞれにこれからの図書館活動にとって参考になる活動を展開しています。興味を持たれた方は資料等を収集し、できれば現地に足を運んでいただければと思います。くまもと森都心プラザ図書館は、前日の「地方創生レファレンス大賞」でも最終選考の3つの候補に選ばれ、地方創生レファレンス大賞審査員会特別賞を受賞しています。B&Bは、特に、本の収集は書店員の視点で選んだものを注文して集め、毎日、本を仲立ちとした集まりを書店内で開いていて、時には1日に複数回開くなど、読者と一体となった書店運営は、公共図書館にとっても大いに参考になる取り組みだと思いました。

最後になりましたが、審査員、プレゼンター、また来場者の皆様、お疲れさまでした。ご寄付いただいた皆様、会場設営、運営・準備にあたった方々、ご協力ありがとうございました。厚く御礼申し上げます。

なお、ライブラリー・オブ・ザ・イヤーは本年をもちまして10回を数えますが、IRI理事会、総合展運営委員会と協議した結果、今後の運営等の見直し等を行うために、今回で休止し、できれば数年後に再開したいと考えております。ご理解のほどよろしく申し上げます。

Library of the Year (LoY) とは

「Library of the Year」は、IRIが図書館など全国の知的情報資源に関わる機関を対象として授与する賞で、2006 年に始まりました。
選考基準は、以下のとおりです。全国の公共図書館を総合的に評価して、ベス トの図書館を決めるものではありません

  1. 今後の公共図書館のあり方を示唆する先進的な活動を行なっている。
  2. 公立図書館に限らず、公開された図書館的活動をしている機関、団体、活動を対象とする。
  3. 最近の1~3 年間程度の活動を評価対象期間とする。

お問い合わせ先

IRI事務局 info【 A 】iri-net.org (【 A 】を@に読み替えてください)