当法人(IRI)のHPおよびLibrary of the Year (LoY) 2018最終選考会にて、
告知させていただいた「図書館大賞(仮称)」について、改めて公表いたします。
なお、「図書館大賞(仮称)」を、LoYとの違いを明確にするため、「図書館の本大賞(仮称)」と改めさせていただく点、何卒ご了承ください。
○「図書館の本大賞(仮称)」の趣旨
当法人(IRI)の設立ならびに活動の趣旨は、日本の図書館の正常な発展を支援すべく、図書館活動をより大きな世界の中でとらえ、新たな評価の基準で考え・評価することでした。この趣旨を踏まえ最近の図書館会の動向を見ると、日本社会の経済的な環境の影響も受け、20世紀における高度経済成長期のような活力が失われているように感じられます。
特に図書館が「無料貸本屋」のように見られるなど、社会の誤解を招く活動もあります。
今一度図書館の基本は「その蔵書にある事」に立ち返ると、
- ベストセラーや最高度な学術・芸術的な価値を有する出版物でなくとも、図書館の成長・発展に貢献する出版物を図書館に備える 必要がある。
- この種の出版物を見出し評価することは、これら出版物刊行の促進につながる。
- 図書館職員の新規出版物に対する評価眼を育てる必要がある。
などが言えるのではないかと考え、当法人主催にて、2019年度から「図書館の本大賞(仮称)」の表彰制度を実施することといたしました。
なお、選考対象、選考方法など詳細については、順次決まり次第、当法人のHPにて発表していく予定です。皆様のご支援・ご協力の程よろしくお願い申し上げます。
○「図書館の本大賞(仮称)」実施に至った経緯・背景
当法人(IRI)が実施する”Library of the Year”は、既に今年で13回の開催を終え、図書館界においてはその制度の存在は知られ、その活動の評価もそれ相応に高まっていると感じています。関係された各位のご努力に感謝したします。
“Library of the Year”は当法人(IRI)の理念である「従来型ではない、新しい未来を何らかの意味で切り開く図書館を応援した い」との思いから出発いたしました。これがそれなりに一応の定着を見た今、更なる日本の図書館の飛躍・発展に必要とされるのは、図書館員の蔵書に対する一層の知識と評価能力および蔵書の質を高める事に資する良心的出版物刊行の応援であるのではないでしょうか。
昨今話題の『本屋大賞』が、やもすればベストセラー狙いに堕する危険性をはらむ今、またネット時代と称されて、活字離れが言われる中で、図書館蔵書の持つ意味を高め、そのような蔵書と図書館利用者を結びつける役割の図書館職員の出版物の内容評価 力涵養を目指すための表彰制度が必要ではないかと考えた結果、従来の”Library of the Year”に加え「図書館の本大賞(仮称)」の選定・発表を行うことといたしました。
この趣旨にご賛同いただける方々のご協力をお願いいたします。
IRI代表理事 高山正也