解決策は4つ。まずは、一般の市町村立図書館の雑誌タイトルを増やすことと、その保存のための書庫をつくること。2つ目は、道府県立図書館の雑誌タイトル数を大幅に増やすことと、その保存のための書庫をつくること。3つ目はこれらを総合して、分担収集と分担保存と相互貸借・協力貸出しの仕組みをつくること。さらに4つ目は、文献複写や電子データのやり取りの仕組みをつくること。最後の点について言えば、国策が求められる。
2番目の検索システムについていうと、公共図書館向けのパッケージは検索性能が貧弱すぎる。請求記号と書誌分類(第2分類以下も含めて)両方について、表を参照しながら検索できるようにしたり、同様のことを件名についてもできるようにしたり、分類、その相関索引、件名、その他の統制語彙や自然語によるキーワードを総合して検索できるシステム、それらの検索結果を再利用して組み合わせて検索したりできるシステムがほしい。また、いわゆる「正規化」のレベルを調整できるようにしたり(「正規化」の幅が広すぎると、「バーバパパ」と「母は歯はいい(はははははいい)」も両方出てきてしまう)、形態素というか意味の単位で明示的に検索できるようにしたり、出版年の範囲指定や、分類の範囲指定やワイルドカード指定(文学の戯曲だったら、9n2といったように)もできるといい。これらは部分的には実現されているが、そろっているものがなかなかない。
3番目の司書のレベルアップについて言いたいことは、まず、目録の提供や資料の分類は、利用者に対するれっきとしたサービスであり、間接的な事務ではない。それを司書が正確に知っていないのは、大変まずいということだ。だから、大学段階でもっと教えてほしい。次に、これは専門的知識というよりも、司書がもっと一般教養を持つことが必要であるということだ。さらに、図書館プロパーではないが、関連する出版や編集や流通の知識、デジタル化の知識などが欠かせなくなってきているということである。ちょっとでも、直接関係ないとなると、とたんに勉強しない人がいるが、これは大いにまずい。そもそも、図書館の司書は知識の摂取については、普通の人よりハングリーでなければならない。
図書館の課題解決支援サービスは、できることから始めるしかないとは言っても、余興でやるようなものではないので、イベント開催に終始している現状から一歩進んで、図書館と図書館情報システムの核となるサービス(貸出しやレファレンスによる資料・情報提供)の本質的変革につながっていくことが重要だ。(山重壮一)